スカラーとベクトルとマトリックス

ベクトルという概念は高校の数学Bで学習します。行列という概念は以前は数学C、現在では大学の線形代数の授業で出会うかと思います。

 

 ベクトルに対して苦手意識を持っている学生さんは一定数いる様です。その理由はスカラーでないからではないでしょうか。スカラーではないということは小学校から長い間学んで来た四則演算のルールが効かないということを意味します。ベクトルはいわば矢印です。従って、演算を行う際は常に図とセットで考える必要があります。ちなみに、平面ベクトルは平面内の矢印、空間ベクトルは空間内の矢印を意味します。

 

 スカラーは1つの値、ベクトルは複数の値が一列に並んでいる状態、行列は複数の値が長方形の形で整列しているものを指します。

 

スカラー $1, \sqrt 2, -7, a$

 

ベクトル $\left[\begin{array}{c}3\\ 1\\ \end{array}\right], \left[\begin{array}{c}a\\ b\\ c\\ \end{array}\right]$

 

行列 $\left[\begin{array}{cc}3 & 2\\ 1 & 7\\ \end{array}\right], \left[\begin{array}{ccc}a & b & c\\ d & e & f\\ g & h & i\\ \end{array}\right]$

 

 行列は図に表すことは難しいですが、ベクトルを写像もしくは変換する際に用いられます。正方行列であれば変換、そうでなければ写像なのだという意識を持つことがが線形代数の学習において、非常に重要な意味を成します。特に、固有値固有ベクトルの分野では、これらの理解が求められます。小手先の計算ではなく、深い理解が応用問題を解くことの手がかりとなります。